HOME > その他

その他

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

① アジソン病(副腎皮質機能低下症)の概要

アジソン病は、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下することで起こる病気です。
これは、副腎皮質自体が免疫を介して破壊されたり、腫瘍や薬剤などで破壊されたりして起こる場合と、
副腎皮質に指令を与える視床下部や下垂体に異常があって起こる場合があります。
この他、長期間または大量の合成副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)治療を突然やめた場合(医原性)に起こることもあります。
主な症状として、食欲の低下や元気の消失、嘔吐、下痢などの症状が現れます。
多くの場合、なんらかのストレスを受けた後に現れます。

② 症状

慢性と急性で様々な症状があり、急性では命に関わることもあります。
慢性のものでは、食欲が落ちる、元気がなくなる、吐いたり下痢を繰り返す、体重が落ちる、無関心、震え、水を大量に飲む、尿の量が増えるといった症状がみられ、この症状は良くなったり悪くなったりを繰り返します。
また、水をたくさん飲む、尿の量が増えるといった症状がみられることもあります。
急性のものでは、急に元気がなくなり、ふらついたり倒れたりし、ショック状態に陥り、迅速に治療をしなければ、命に関わることがあります。
これらの症状は、犬がなんらかのストレスを受けたときに現れます。
アジソン病がよく見られる犬種としては、ビーグルやスタンダード・プードル、コリー、グレート・デーン、ロットワイラー、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどがあり、若齢から中高齢(平均4歳)の発症が多く、特にメスによく見られます。

③ 診断と治療

急性では緊急治療を、慢性では副腎皮質ホルモンを生涯にわたって投与します。
急性の症状の場合は、ショック状態の改善などのため、緊急治療が必要となります。
急性からの回復後や慢性の場合は、不足している副腎皮質ホルモンの補充療法を生涯にわたって行います。
医原性に起こったものでは、自分で副腎皮質ホルモンをつくれるようになれば、投薬が不要となることもあります。
アジソン病の予防としては、早期発見・早期治療がなによりも大切ですので、上記の症状が現れてた際には、すぐに動物病院へ連れ行きましょう。

IMG_1475.jpg

 

海外でしか扱っていないアジソン病の治療薬(注射)です。これであれば、約25日に1回の割合でホルモン補充を行うことができます。

 


クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

① クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の概要

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されることで、様々な症状が引き起こされる病気です。副腎は生きるためにとても大切な器官なので、その異常は体に大きな影響を及ぼし、さまざまな変化を与えます。
主な症状として、お腹が膨らんだり、左右対称の脱毛、皮膚が弱々しくなる、多飲多尿、寝てばかりいる、食欲が増す、体重が落ちるなどの変化が現れ、糖尿病を併発することもあります。
しかし、食欲が落ちないから大丈夫、脱毛は年をとってきたから、など飼い主さんの思い込みも多く、この病気に気づいた時にはだいぶ病状が進行していることもあります。
そしてさらにその状態が続くと、感染症にかかりやすくなる、糖尿病、高血圧症、心不全、行動の変化や発作などの神経症状などを起こす場合もあり、命の危険を伴います。

② 症状

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されることで、様々な症状が引き起こされる病気です。副腎は生きるためにとても大切な器官なので、その異常は体に大きな影響を及ぼし、さまざまな変化を与えます。
主な症状として、お腹が膨らんだり、左右対称の脱毛、皮膚が弱々しくなる、多飲多尿、寝てばかりいる、食欲が増す、体重が落ちるなどの変化が現れ、糖尿病を併発することもあります。
しかし、食欲が落ちないから大丈夫、脱毛は年をとってきたから、など飼い主さんの思い込みも多く、この病気に気づいた時にはだいぶ病状が進行していることもあります。
そしてさらにその状態が続くと、感染症にかかりやすくなる、糖尿病、高血圧症、心不全、行動の変化や発作などの神経症状などを起こす場合もあり、命の危険を伴います。

 

IMG_0510.jpg

↑石灰化と呼ばれるクッシング症候群に特徴的な重症化した皮膚の症状。
白く見えるのがカルシウムなどが付着(石灰化)したもの。

 

③ 治療と診断

ホルモン検査を実施することで診断します。副腎を刺激する注射をしてその前後で副腎ホルモンの濃度を比較測定する方法が一般的です。また腫瘍でないかどうかレントゲンやエコー検査などの画像診断も行われます。
クッシング症候群の治療は、一般的には薬物治療が主となりますが、場合によっては外科手術や放射線治療も行われます。
予防としては、早期発見・早期治療が重要です。気になる症状が見られる際には、動物病院の診察を受けるようにしましょう。副腎皮質ホルモン剤の投与を受けている場合は、勝手に飲ませるのを止めたりせず、必ず動物病院に相談するようにしましょう。全身に症状が出てしまう怖い病気ですので、多飲多尿という症状が最初に出てくることが多いので、お水をたくさん飲むなと感じたら、すぐに動物病院へご相談することをお勧めします。

 

↓前の写真の子を治療してすこし落ち着いた段階。

新しいイメージ.JPG

 


免疫介在性溶血性貧血

① 免疫介在性溶血性貧血の概要

犬の免疫介在性溶血性貧血は赤血球表面に、免疫抗体が結合し、赤血球が破壊されるために起こる貧血のことです。
原因は不明なことが多く、原発性、感染、腫瘍や全身性エリテマトーデスなどの病気が原因の場合やペニシリンやワクチンなど薬物を使用した後に発症することがあります。
赤血球の破壊の程度が激しい場合や速く進む場合は、動悸(どうき)・息切れ・疲れやすい・お散歩を嫌がるなどの通常の貧血症状に加えて、黄疸(おうだん)がみられることが特徴です。
赤血球の破壊が軽度でゆるやかに進む場合、症状がみられないことがあります。

② 症状

突発的に起こることが多く、貧血のために動物は元気がなくなりぐったりします。
一般的な貧血の症状である、疲れやすくなる、呼吸が速くなる、失神、食欲低下、元気消失なども見られ、粘膜蒼白(歯ぐき、舌の色が白くなる)、脾臓の腫大、発熱、血色素尿(赤い尿)、黄疸、不整脈などの症状も見られます。
体の外への出血ではないため低蛋白血症などは起こりません。
犬の自己免疫性溶血性貧血にかかりやすい犬種は、マルチーズ、シー・ズー、プードル、コッカ-・スパニエル、アイリッシュ・セッター
雌犬の発生率は雄犬の2~4倍と言われています。

③ 治療 と診断

対処方法として、赤血球の破壊がひどい場合は、ステロイド薬が治療薬として選択されます。
長期間使用できませんので最初に高用量を使用し、その後数週間から数カ月かけて徐々に減量していきます。
あわせて免疫抑制薬を使用することもあります。
予防としては、点状出血、紫斑、口腔粘膜からの出血、血便、血尿などの異常が見られたら、すぐ動物病院へご相談することをお勧めします。


1

アーカイブ

このページのトップへ